「MPI」の版間の差分

2008年9月2日 (火) 16:31時点における版

MPI とは？

Message Passing Interface の略で、並列・分散プロセス間のメッセージング機能を提供する標準規格。 あるいは、その実装を差す。1995年に MPI フォーラムによって標準化されて以来、多くの実装が存在していて、 コードの移植性に優れているのが特徴。言語に依存せず、C でも Fortran でも利用できる。

プログラム内に MPI 用のヘッダをインクルードして、 UNIX の fork プログラミングの要領で MPI 関数を追加していくだけで、 手軽に並列プログラムを作ることができる。

• MPI Forum - http://www.mpi-forum.org/

実装

Mac OS X で利用できるフリーの実装としては、以下のものがある。

LAM/MPI

daemon を介して、メッセージングを行う実装らしい。 現在はメンテナンスモードとなっていて、 開発者は後述の OpenMPI プロジェクトに合流しているそうだ。

• http://www.lam-mpi.org/

MacPorts には、以下の Port が用意されている。

lammpi                         science/lammpi 7.1.2        MPI implementation for parallel computing

MPICH

最も広く使われている MPI 実装で、rsh/ssh 越しに通信を行うもの。 最近、新バージョンの mpich2 に移行しつつある。

• http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/mpich/
• http://www-unix.mcs.anl.gov/mpi/mpich1/

インストール手順

• ソースを展開して、手動で configure, make, make install を行う。
• MacPorts には、以下の Ports が用意されている。

mpich                          science/mpich  1.2.7        Message Passing Interface (MPI) Library
mpich2                         science/mpich2 1.0.3        Message Passing Interface (MPI) Library

Open MPI

FT-MPI, LA-MPI, LAM/MPI, PACX-MPI などの さまざまな先行プロジェクトの成果をもとに 開発されている MPI 実装。

• http://www.open-mpi.org/

OSX 10.5 Leopard にはデフォルトで Open MPI がインストールされている。 ただし fortran サポートはオフになっており、mpif77 などは機能しない。

MacPorts には、以下の Port が用意されている。

openmpi                        science/openmpi 1.1.2        A High Performance Message Passing Library

参考書籍

• 「並列プログラミング入門　ＭＰＩ版」
  • http://accc.riken.jp/HPC/training/text.html
  • 元 IBM の青山さんによる、理研の講習会のテキスト。
• MPI並列プログラミング(ISBN:456301544X)
  • http://www.alde.co.jp/mpi/ - 邦訳書籍
  • http://fawlty.cs.usfca.edu/mpi/ - 原書
• 実践MPI‐2—メッセージパッシング・インタフェースの上級者向け機能 (ISBN:4894714442)
• High Performance Linux Clusters: With Oscar, Rocks, openMosix, And MPI (ISBN:0596005709)

参考ページ

• MPI覚え書き
• 超並列計算研究会 --「PCクラスタ超入門」などの入門記事

Wiki内の参考ページ

• ParallelComputing
• 数値計算