GMT

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GMT とは?

GMT (Generic Mapping Tools) は、地理的データを扱うための数多くのコマンドのセットです。おそろしく単純化して言えば「地図を描く」ソフトです。数多くの投影法に対応しています。地図だけでなくグラフを描くこともできます。GNU General Public License のオープンソースソフトウェアです。

GUI は用意されておらず,ターミナルからコマンドを打ち込んで使います。実際の利用場面ではシェルスクリプトを書いて使うことが多いでしょう。もともとは地震学などの分野で使うことを想定して作られたソフトウェアですが、それ以外の分野でも、試料採取地などを地図上に表示したい、地理的なデータなどから地図上に等値線を入れたい、などといったときに有用かと思います。出力が PostScript なので Adobe Illustrator などで修正を加えるのも容易です。

現在の最新版は、2007-04-01 付けでリリースされた 4.2 です。4.x では緯度経度のデフォルトの指定方法が変更されているなど 3.x とは異なる部分が多いようです。残念ながら、現在の web 上の日本語の GMT 関連情報はほとんど 3.x を想定していますので、慣れたユーザ以外は 4.x の使用はやめておいた方がよいかもしれません。

GMT 4.2 の変更点

ユーザの設定ファイルが ~/.gmt ディレクトリにまとめられました。 その他、多くのバグフィックスおよび機能強化。

Mac ユーザとしては,以下の点あたりが気になるでしょうか。

Adjustments to how native GMT grid headers are read and written
in order to be fully 64-bit safe. GMT now runs in full 64-bit mode 
on platforms that supports it (e.g., Mac OS X G5).

また,

No longer test netcdf installation since that can fail even when
install was successful [e.g., under Mac OS X Tiger].

とのことで,NetCDF がなくてもインストールスクリプトが中断することはなくなったようですが,NetCDF が必要なことには変わりありませんので,注意してください。


インストール(Fink による場合)

GMT のインストールは、Fink を利用するのが楽でしょう。Fink がインストールされていれば、

fink install gmt

でソースからのインストールが行われます。ただし、Fink を利用した場合には高解像度および最高解像度の海岸線データがインストールされません。必要ならばミラーサイトなどから GMT_full.tar.gz および GMT_high.tar.gz ファイル(.bz2 ファイルなども用意されています)をダウンロードし、これらのファイルを伸長してデータを追加して下さい。具体的には、たとえば最高解像度データならば

tar xvzf GMT_full.tar.gz
sudo mv ./GMT_full/share/* /sw/share/gmt/

のようにします。fink では Stable 版は 4.1.1-1001 が最新(バイナリ版は 3.4.5-1002)で、Unstable 版で 4.1.4-1 が提供されています。

インストール(Fink によらない場合)

Fink が提供していないバージョンを使いたい場合などは、自分でインストールすることになります。以下の説明では Mac OS X 10.4 を想定していますが、10.2、10.3 でも基本的には変わらないはずです(Intel Mac でも以下の手順で問題は生じていないようです)。GMT のインストールには、インターネットへの接続環境、Developer Tools のインストール、NetCDF のインストール(後述)が必要ですので、事前に準備しておいてください。

GMT のサイト(http://gmt.soest.hawaii.edu/)で“DOWNLOAD”をクリックし、右下のフレームで“INSTALL FORM”のリンクをクリックすると、パラメータの設定ファイル作成を支援するフォームのページがフレーム内に開かれます。そこの“A. Basic Requirements:”の下にある“install_gmt”のリンクから、“install_gmt”というファイルを GMT をインストールしたいディレクトリに保存します。次に、その下の各項目を選択していき、“GET PARAMETERS”のボタンを押すと、右下のフレーム内に GMTparam.txt ファイルが表示されます。これを install_gmt と同じディレクトリに保存します。

その段階で Terminal.app を起動し、install_gmt を保存したディレクトリに移動した後、

$ sudo sh install_gmt GMTparam.txt
PASSWORD:(パスワードを入力)

とタイプすれば、インストールが開始されます(インターネットに接続している必要があります)。

インストール終了後にシェルの環境変数の設定を促す文章が表示されますので、それに従ってパスの設定などを行ってください。

GMTparam.txt がない場合には、

$ sudo sh install_gmt
PASSWORD:(パスワードを入力)

とすれば、対話的なインストールが開始されます。インストールスクリプトが設定を聞いてきますので、それに答えていけばインストールされます。ただし、質問がけっこう多く、間違っても元に戻ることはできない(スクリプトを中断するしかない)ので、よほど自信がない限り GMTparam.txt を用意してのインストールをお勧めします。

パラメータの説明

以下、パラメータの設定支援フォームの各項目について、簡単に解説します。

  • A. Basic Requirements:
    • 1. Select the GMT version you want to install:

インストールする GMT のバージョンを選択します。

    • 2. Select archive format:

ダウンロードするソースコードの圧縮形式を選択します。Mac OS X は標準で *.gz も *.bz2 も伸長できますから、デフォルトで構いません。

    • 3. Select default units in GMT:

描画する図形の長さを指示する際の単位を指定します。米英のユーザのためにインストールするというのでもない限り、デフォルト(SI単位系)で構わないでしょう。

    • 4. Select default PostScript output format for GMT:

出力を PostScript 形式にするか、Encapsulated PostScript 形式にするか選択します。デフォルト(PS)で構わないでしょう。

    • 5. Select POSIX Advisory File Locking:

ファイルロッキングを使用するか否かを指定します。デフォルト(YES)で構いません。

  • B. NetCDF Setup
    • NetCDF についての指定です。事前に NetCDF をインストールしているか否かで選択が変わります。インストールしていなければ“Please get and install the latest netCDF 3.6.x”を選択すればよいはずです。ただし、これを選択すると最新版をインストールしようとするので、ひょっとすると NetCDF のインストールに失敗することもあるかもしれません。Fink か MacPorts で事前にインストールしておく方が安全でしょう。
    • 事前に NetCDF をインストールした場合は、“netCDF 3.6.x is already installed”を選択します。自分でインストールした場合、NetCDF のインストールディレクトリを通常から変更していなければ、その選択だけでよいはずです。MacPorts や Fink で NetCDF をインストールした場合は、“Give full pathname to the netCDF directory: ”のフォームに、

MacPorts の場合は /opt/local、Fink の場合は /sw と記入します。

  • C. GMT Setup
    • 1. Select the FTP site nearest you:

ソースコードをダウンロードするサイトを選択します。“Asia (ISV, Hokkaido University, Sapporo, Japan)”を選べばよいでしょうが、サーバが落ちていてダウンロードに失敗する場合などは適当なところを選択してください。また,新バージョンのリリース直後には,本家との同期が済んでいないために,ミラーサーバによっては最新版をダウンロードできないことがあります。

    • 2. Select normal [Default] or passive ftp transmission:

ダウンロードを通常の ftp と受動的ftp のどちらで行うかを選択します。どちらを選択すべきかはお使いのネットワーク環境によります。大学や組織のLAN内からダウンロードする場合は注意してください。

    • 3. Select the components you want (gzip/bzip2 sizes indicated):

ダウンロードするファイルを選択します。海岸線の最高解像度、高解像度データをチェックするとディスク消費量が増えますが、最近の機種のハードディスク容量からすれば大した量ではないので、チェックしておいてよいでしょう。なお、最初の3つのファイルのチェックは絶対に外さないでください(外すとインストール自体ができません)。

    • 3. Select which triangulation algorithm to use:

3番が続きますが、元のページ自体がそうなっていますので勘弁してください。デフォルトのままで構いません。

    • 4. Select library build type:

ライブラリのリンクの形式を選択します。Shared (dynamic) Libraries で大丈夫なはずですが、バージョンによっては make に失敗することもあるようです。したがって、デフォルト(Static)にしておいた方が安全です。その場合はディスク消費量が増えますが、それほど問題にはならないでしょう。

    • 5. Select the C compiler you want to use:

デフォルトで構いません。Apple の Developer Tools とは異なるコンパイラを使う場合には“ohters”を選択して“Custom C Compiler: ”のフォームにそのコンパイラのパスを入力します。

    • 6. Select the make program you want to use:

make に使用するプログラムを選択します。デフォルト(make)で構いません。

    • 7. Select GMT final destination directories

インストールするディレクトリを入力します。デフォルトでは install_gmt のあるディレクトリに作られる GMT{version_No} 内の bin, lib, include, share, man, www 下に各種ファイルがインストールされます。したがって、自分の望む場所にインストールするには、そのディレクトリに install_gmt および GMTparam.txt を置いてインストールを実行するか、このフォームでインストールするディレクトリを適宜指定し、適当なディレクトリにこの2つのファイルを置いてインストールするかしてください。

    • 8. Select alternative GMT_SHAREDIR directory

リモートから GMT を使うユーザがいる環境でなければ、デフォルト(空欄)のままにしてください。

      • GMT は、海岸線データなど基本的なデータファイルや設定ファイルを、セクションC.7で指定した各ディレクトリから読み取ります。しかし、これらのディレクトリがリモートユーザからは違うパス名で見えることがあります。このような場合には、$GMT_SHAREDIR 環境変数を設定することで正しい場所を指定できます。こうしたことが想定される場合には、このフォームに $GMT_SHAREDIR のパスを入力してください。ただし実際には、この指定はインストール終了後に表示される環境設定に関する指示に使われるだけのようです。上記のような問題がある場合には、インストール後にシェルの設定ファイルで $GMT_SHAREDIR を設定するのでもよいと思われます。
    • 9. Alternative coastline directories

海岸線データのインストール先を指定します。ネットワーク上で海岸線データを共有したいなど、特別の理由がなければ、デフォルト(Install all selected coastline files in $GMT_SHAREDIR/coast)のままにしてください。

    • 10. Select supplemental packages to install:

追加パッケージを選択します。デフォルトのままで構いません。MATLAB をお持ちで、MATLAB とのインターフェイスが必要ならば“MEX:”にチェックを入れてください。

    • 11. Complete the operation:

インストール終了後の動作を指定します。デフォルトのままで構いませんが、インストール後にソースコードや海岸線データの圧縮ファイルを削除したいならば、“Delete all archives upon sucessful installation”にチェックを入れてください。折角ですから、“Run all example scripts (assumes scripts tar archive was chosen above)”のチェックは外さない方が良いでしょう。

使い方

まずはハワイ大学のサイトにある Tutorial を読んでみるのがいいでしょう。より詳しい説明は Thechnical Reference and Cookbook にあります。いずれも以下のページからダウンロードできます。

http://gmt.soest.hawaii.edu/gmt/gmt_services.html

英語はちょっと、という向きには、ver.3.* についてのものですが、

  • 渡邊氏による解説

http://www-seis.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~kakehi/GMT/#watanabe

  • 安形氏による 3.3.4 の Tutorial 日本語訳

http://hydro.iis.u-tokyo.ac.jp/~agata/archive/GMT334/

が参考になると思います。

ほかの日本語の情報源としては、

  • GMT の使い方

http://www-seis.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~kakehi/GMT/GMT-HOWTO.html

  • 海底地形図作成講座

http://ofgs.ori.u-tokyo.ac.jp/~okino/gmtscripts/index.html

  • GMTオンラインマニュアル日本語版、ほか

http://marine-geophysics.hp.infoseek.co.jp/gmt.html

などがあります。また、日本語のメーリングリストもあります。

もっと手軽に (1)

Mac とは関係ありませんが,旧 GEOMAR (ドイツの海洋科学研究機関) の Web サイトには GMT で地図を作る CGI が設置されています.GMT をインストールせずに試してみることができます.

Online Map Creation http://www.aquarius.geomar.de/

もっと手軽に (2)

iGMT という tcl/tk を利用した GMT のフロントエンドがあるそうです.又聞きですが,Mac OS X でも動いているそうです.

http://www.seismology.harvard.edu/~becker/igmt/


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